ふと横を見ると若いカップルが二組いる。どっちのカップルもオージーらしい男と日本人の若い女性の組み合わせだ。オーストラリアで見るオージーと日本人のカップルは、その殆どが、女性が日本人のケースだ。日本人男性とオージーギャルの組み合わせは見ることまれである。なぜか?やはり、オージー女性のあのたくましさの前に体力的にも大きさでもかなわないと日本人男性が引いてしまうところに原因があるのではないだろうか。
あまりの声援にセイジは、しばらくテラスの上からはるか下(少なくとも本人にとってはそう思えたはず)の水面を見てはためらっていたが、いよいよ腹を決めたか服を脱ぎ始めた。
でも、服をそこに残しておいたらまたそのテラスまで登ってとりに行かなくてはならない。と思ったとき、
「こっちに投げて」
と、ジャーマンギャルが声をかけた。そしてセイジが投げた服をしっかり受け止めたのである。
「飛び込むならこっちの方向だ。そこが一番深いから」
と、アンドリューはセイジを誘導する。ガイドとしての責任があるのだろう。
セイジが右手を高々と上げた。プール全体がシーンとなった。そこにいる人の目、全てがセイジを見つめている。
深呼吸をしたセイジがテラスから飛び出した。一直線に落下し,大きな水しぶきを上げて水中に潜った。
やがて顔を出して岸に向けて泳ぐセイジに皆が拍手を贈った。
もと来た道を帰って昼食となった。メニューは昨日とまったく同じ、つまりパン、レタス、キウリ、トマト、ハム、チーズでサンドウィッチを作る。違いがただ一つあった。昨日のバーベキューで残った肉の串焼き、ソーセージ、鳥のウィングスティック、野菜などが追加されたことだ。
昼食後は、JoffreとKnoxのルックアウトで雄大な景色を見たあとKalamina Gorgeに向かった。この谷は川底が頁岩で出来ているだけでなく、地層がほぼ水平なのでどこでも歩ける広い川原が特徴のようだ。約15分下流に歩いた所に比較的広いプールがあった。
アンドリューが言った。
「この川の底は頁岩の層理面で出来ているのでとにかくぬるぬると滑るんだ。向こう岸まで転ばずに歩いていくってのはどうだい」
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