2010年8月21日土曜日

取って置きのオーストラリア

元日のパースカップ

 パースカップはウェスターンオーストラリア最大のイベントである。何のイベントかって?実は競馬だ。
 「競馬」という言葉の響きは余り素敵ではない。おっと、それは筆者の個人的な感覚で言えば、と付け加えておかねばならない。日本での競馬のイメージは、雑然、騒然とした埃っぽい競馬場に、赤線や丸印があちこちにつけられた競馬新聞を片手に、耳には赤鉛筆を挟んだ、時にはタオル(決して手ぬぐいではない)で鉢巻をした赤ら顔のおじさんたちが、
「さあ、さあ、こっちだ。当たる予想はいらないか」
などという予想屋の呼び込みの為のダミ声の中をうねるように歩いているというものだ。もっとも、長い間競馬場なるものを覗いた事がないから現在はもっと美しく、スマートな所なのかもしれないが。
 が、日本の競馬も「ジャパンカップ」と呼ぶと途端に上品な馬のレース(「競馬」ではない)のイメージになるから不思議だ。
 オーストラリアでもっとも有名なカップは「メルボルンカップ」である。名前の通りメルボルンで行われるレースで、これにはオーストラリア中がエキサイトする。ホースレースは英国系の国では盛んだが特にオーストラリアでは大き目の都市ではその名を冠した「カップ」が催されている。たとえばシドニー、ブリスベーン、メルボルン、パースなどだ。都市としては小さい方のダーウィンでも「ダーウィンカップ」が開かれるくらいだ。
 パースカップの特徴は2004年で117回、つまり1887年からの117年間一度も中止にならずに続いてきたという、英国系紳士、淑女の大好きな「伝統」に満ち満ちている点と、1月1日、つまり元日に行われる点だ。
 場所は決まってアスコットレースコースである。パースは勿論南半球の都市だから、元日はまさに夏、雨が降るなんてことはまずありえない。気温などはひどい時には40度にもなるという季節の中の一日だ。水着のサンタクロースがプレゼントを配ったクリスマスの直ぐ後の夏のビッグイベントである。
 さてパースカップは決まってアスコットでと書いたが今年(2004年)のレースコースの決定にはごたごたがあった。何とアスコットレースコースの芝の外枠部分の生育が悪かったのだ。何故かって?馬鹿げたことだが、そこに車輌が走る許可を出していたとのことなのだ。勿論レースコースの補修や芝の手入れなどのための車輌だったのだがこれが芝にダメージを与えた。

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