さて仲間四人でパースカップの券を購入した。ホームストレッチ正面の観客席の一部にしつらえられたガラス張りのレストランでの食事付観覧券とでも言えばよいだろうか。一人200ドル以上もするのだから最高級と表現した方が良いだろう。
アスコットの4万人以上が集まる当日の周辺の混雑は当然激しいと予想された。そして一方通行だらけの道路は、下手な所に駐車したら大渋滞に巻き込まれることを意味している。車を何処に停めるか、は大問題なのだ。
「アスコットの駐車場に停めたら良いんじゃないか」
「いや、あそこからは何時間経っても出られないぞ」
「それじゃあ、少し離れた一般の道路に置こうか」
「パースカップの日には駐車禁止の看板を出す家もあれば、駐車料金を要求する家もあるぞ」
「待て、待て、アスコットの駐車場は二ヶ所ある。手前の駐車場なら大通りに一方通行で出られるぞ」
「そうか。それならそこに停めよう。だがそこが一杯になる前に停めなければならないな」
「最初のレースが始まるのが11時45分だから、余裕を見て10時半に出発しよう」
こんな会話に基づいて当日10時半に出発した。トンキンハイウェイを南下してグレートイースタンハイウェイに出、エプソンアヴェニューに右折して入った。と、前方にアスコットに向かうらしき車が行くではないか。
「おっ、あの車は目的地へのルートを良く知っているらしいぞ。あれに付いていこう」
前の黒いクーペはラウンドアバウトを左折して悠然と走っていく。が、何ということだ。暫く走ったらそのクーペは左側のお屋敷に吸いこまれるように入っていった。
「何てぇこった。仕方がない、この道を真っ直ぐ行こう」
運が良いのか、直ぐにアスコットの駐車場に出た。駐車場といっても芝生の空き地のような所である。柵が切れたといった方がいい入り口を入ると中に係りの男性がいた。窓を開けながら近づくと、
「あの端のフェンスの所に駐車してください」
と指示が来た。
車を停めて良く見たら、目の前がアスコットの入り口で、さらに良いのはこの駐車場が一方通行の道路に面していて、真っ直ぐハイウェイに渋滞なしで出られる位置にあることだった。我々は考えたとおりの駐車ポイントを得たのだった。
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