一応カードの種類を列挙しておこう。
Win & Place: 説明済み
Quinella: 二頭の馬を選び、その二頭が一着と二着(順不同)になったら勝ち
Exacta: 一着と二着の馬を予想、その通りだったら勝ち
Trifecta: 一、二,三着の馬を予想、その通りだったら勝ち
Quartet: 一、二,三、四着の馬を予想、その通りだったら勝ち
Mystery Bets: コンピューターが一、二,三着を選び、それが当たったら勝ち
このような賭け方のシステムは日本のものと違うのではないだろうか。
さて賭け金だが、ブッキーといわれる胴元のところでは最低が20ドルと高いが、カードでの賭けの場合は最低50セントから受け付けている。でも、掛け金の欄の数字は一ドルが最低だったはず、50セントの時はどうするのか。一休さんのとんち問答みたいだが、50セントをかけるときは賭け金の欄をブランクにしておくのである。
レースが近づいてくるとレストランの席も華やかな女性達に彩られてくる。隣のテーブルを例に挙げれば、胸の大きくあいた純白のミニドレスを着たマリリンモンロウ張りのお姉さんとワインレッドのロングドレスのお姉さんがこれでもかという具合に女性美とフェロモンを発散していた。
目の前のパドックに馬が見え始めたので様子を見に行くことにした。レストランの一番下の段にガラスのドアが二つあってそこから外に出られるようになっている。ドアの所には白い制服を着たお兄さんが立っていて、間違って入ってくる人がないようにチェックしている。それだけではなく我々の出入りの時には恭しくドアの開閉をしてくれる。金持ちっていうものも良いもんだな、と感じながらパドックの柵まできた。
パドックの中では馬丁に轡をとられた次のレースの出走馬が歩いている。競走馬としてのサラブレッドは走ることだけを教えられた馬だ。いわゆる乗馬用の調教を受けていない。そのためか歩き方も荒々しいものが多い。頭を激しく上下に振るもの、「ブォルルォン、ブルフォウン」と荒い鼻息で気分の高まりを示すもの、体を斜にして馬丁と押し合いをしながら歩くもの、はては背中を丸めて飛び跳ねながら行くものまでさすが勝負の世界に生きる馬だと感じさせるものばかりだ。
馬の体と言うものはかくも美しいものか。贅肉など一片もない筋肉質の体はまるで解剖学の図を見るが如く一つ一つの筋肉の様子を見せている。その均整の取れた体はボディビルに象徴されるような筋肉トレーニングの結果できた体とは異質のものだ。走る、という自然の動きによって鍛えられた筋肉の発達はそのバランスという点で典型的人為である筋トレがつくるアンバランスとは異なるのだ。
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