2010年8月31日火曜日

取って置きのオーストラリア

 さてゲートインが終わると間をおかずにレースがスタートする。走るために出来た馬といわれるサラブレッドはさすがに速い。筆者が想像していたのとはけた違いに速い。時速70キロくらいは出ているのではないだろうか。見る見るコーナーを回りホームストレッチに入ってくる。そのときに聞こえる足音は勿論『パカパカ』などというのんびりしたものではない。「どぅどどど、どぅどどど」というような、重く、震動が見ているものの腹に響くような音だ。
 その昔、日本の戦国の世に、武田の騎馬軍団が他国に恐れられていたというのがよく分かる。いかに日本の当時の馬が小さめだったとはいえ、土を巻き上げながら、地響きとともに猛スピードで迫る騎馬軍団を槍と刀を持っているとはいえ迎える軍兵の恐怖はどれほどだったか。恐らく、直ぐにも逃げ出したくなったのではないだろうか。
 さて、普通のレースは1,400から1,800メートルを走るのだが、第六レースのパースカップは何と3,200メートルという長距離レースだ。
 皆は一般誌や専門誌のデータをもとにどの馬が一着になるかを予想している。参照しているデータは主に、その馬の戦歴(特に距離との関係)、ジョッキー、ハンディキャップ(重さ)、ゲート番号(内枠の方が一般的には有利)などである。
 だが必ずしも一着と予想した馬に賭けると決まったわけではない。賭けで重要なのは勝って、且つ儲けることなのだ。そこで重要になるのは賭け率データだ。皆が一着と予想する馬、つまり本命馬に賭けても殆ど儲からない。驚くほどの儲けが出るのは一着になるなんて予想もしない馬に賭けていた場合だ。そこで皆頭をひねる。本命以外が一着になる可能性を考えるのだ。
…3,200メートルは短距離走ではない、いわばマラソンだ。だからポイントは持久力と最後の100メートルで加速できるかどうかだ…
…全体のペースが遅めに展開すればこの馬が…
…あのコーナーで先頭になれればこの馬が逃げきれるのでは…
…今度のジョッキーならこの馬を上手くリードして…
 きりがないほど考えることがあるのである。
 もっと凄いのは、勝つ確立は低いけど賭け率から見て万一勝ったら凄い儲けだ。念のために少し買って置こうか、というのもある。

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